世界が認めた「夢こうろ染」当初4月に開催予定だったイベント、ファン待望の開催です!
2020.11.16
2008年、フランスのルーブル宮内パリ装飾美術館において、
経済産業省と日本貿易振興機構(ジェトロ)が、
日仏友好150周年記念事業の一環として、
日本のデザインに受け継がれる「感性」を伝える展覧会を開催。
この国際的な展覧会に推挙され出品し、世界の人々に喝さいを浴びたのが、
今回ご紹介する「夢こうろ染」です。
■平成から令和へ~「黄櫨染」と「夢こうろ染」の違い
平安時代以降、天皇陛下が特別な儀式に着用される束帯装束として、
黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)という特殊な染め方をした黄櫨染(こうろぜん)の色の袍があります。
昨年秋、天皇陛下即位の儀式の際、黄櫨染の装束をお召しになったことは
みなさんの記憶に新しいことでしょう。
「黄櫨染」は、1200年前に当時の嵯峨天皇が第一礼装に定めたと言われ、
天皇以外に着ることが許されない禁色です。
(ちなみにそれ以前は聖徳太子が定めた冠位十二階の制に基づき、紫が第一位の色とされていたそうです。)
歴代天皇が実際にお召しになった黄櫨染を、
1990年、古代染色研究家・奥田祐斎氏が、広隆寺の協力のもとに特別に調査。
その謎を解き明かした経験から生み出された染色技法を「夢こうろ染」と命名。
現在でも天皇陛下のみが第一礼装としてお召しになる「黄櫨染」と混同されないよう
配慮されており、その違いを明確にしている染色技法名なのです。
■世界で唯一の「夢こうろ染」3つのポイント
①太陽を宿す染
太陽の光が夢こうろ染の絹布を通ったとき、日本の太陽「赤」が浮かび上がります。
この神秘の現象は「日本人の叡智」であり、
身に着けた人を優しくあたたかく包み込みます。
太陽をまとうこと自体がまさに、美と健康の源なのです。
②宝石のように耀変する染
自然光が当たると、オパールのように色彩が様々に変化します。
また、人工照明の種類(白熱・蛍光)によっても劇的に耀変し、
見る人を驚かせます。
③1200年の歴史
夢こうろ染は、日本の皇室だけの染色をルーツとしています。
世界に誇る、この世界に類例なき染を、
奥田祐斎氏が研究・アレンジして
現代に新たな色彩として蘇らせました。
ところで、実は奥田祐斎氏と塩屋呉服店はとても深い縁で繋がっています。
今から40年前、染色作家として初の個展を開催したのが「塩屋」で、
それ以来長きにわたり交流を深めてきました。
また、塩屋現社長・藤堂幸司が大学卒業後に
染・着物の勉強をするために勤めたのが、京都・祐斎工房なのです。
現在も、京都・嵐山の工房にて創作活動を続けている奥田祐斎氏。
普段は全国各地のイベントにはほとんど出向かないようですが、
祐斎工房設立40周年&塩屋呉服店創業200周年の共同記念事業として
パリ・ルーブルで行われた作品展を塩屋店内で特別に再現。
祐斎氏ご本人も久々に来場いただきます!!
当初は今年の4月に開催予定でしたが、
残念ながら延期となり、
日程調整の末、いよいよ今月末に開催が決定しました!!
オリジナリティー溢れる独自の表現技法で日本の美を世界に発信している
奥田祐斎氏の「塩屋でしか聴くことができない」特別講演会と、
世界が認めた「夢こうろ染」の世界を体感できる特設ギャラリー展示。
ぜひ、ご覧ください!!
《祐斎工房設立40周年》
《塩屋呉服店創業200周年》
共同記念事業
染織アートきもの展 ~夢こうろ染~
とき:2020年11月27日(金)28日(土)29日(日)30日(月)
10:00~18:30
ところ:松山銀天街 塩屋呉服店にて
★奥田祐斎氏特別講演会★
各日①10:30②13:00③17:00 3回開催
(最終日は①②のみ)
※新型コロナウィルス感染防止のため、講演の参加は1回の講演につき最大5組とさせていただきます。ご理解、ご協力の程よろしくおねがい申し上げます。(要事前予約)